健康経営相談Q&A

なぜ高い賞与を与えても従業員のやる気が上がらないのか?

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「従業員のモチベーションを上げたい!」

従業員の仕事へのモチベーションは業績に直結するため、経営者の方なら当然、このような要望をお持ちかと思います。
従業員のモチベーションアップのために、人事施策として一番始めに考えられるのは、やはり賃金や賞与の金額アップかと思われます。しかし、多く聞かれる悩みとして、「同業他社よりは給与もボーナスも多く支給しているのに、従業員のモチベーションが高まらないんだよなぁ」というものがあります。
また、半期で数百万円という賞与を支給しているにも関わらず人がどんどん辞めていく、という職場もあります。

 

賞与や賃金アップが従業員のモチベーションアップにつながらない、それはどうしてなのでしょうか?

実は、心理学(特に当社代表の流派である行動理論)によるとこの結果は当然であると言えます。
人は良い行動が出た後に、すぐに褒められると(褒め方は様々です)、その行動の出る確率やその行動が維持されることが多くなります。例えが動物で恐縮ですが、テレビで見る麻薬探知犬は、麻薬を探知してその隣に座ると即座に餌を与えられ褒められています。その結果その行動は維持されているのです。

 

人に置き換えると、例えば、
会議で積極的に発言する→褒められる
であると会議で積極的に発言する行動は増えるでしょう。

 

一方、
会議で積極的に発言する→空気を読めと怒られる
であれば、会議で発言する行動は減るでしょう。

 

従業員の行動は案外、行動直後の周囲からのフィードバックに左右されているのです。
ただし従業員は人なので動物のように即時フィードバックだけが効果的なわけではありません。人は、言葉があるため言葉で「先週のあの行動よかったよ。」と褒めることもできるのです。
ここからが大切なところなのですが、
とは言っても、言葉によるフィードバックにも有効期限があるのです。

 

言葉によるフィードバックの有効期限とは??

言葉によるフィードバックの有効期限は、心理学的には最長2週間と言われています。
鋭い経営者の方であれば、ここでなるほど! とおっしゃっていただけると思います。
そうです、賞与は良い行動を起こしたとしても、通常半年後に褒められるのです。昇給も同じです。多くの会社で年に1回だけ褒められることになります。これだとどのような行動をしたから褒められているのか従業員はわからないのです。
ではどのようにすれば良いのでしょうか?

 

効果的なフィードバックのポイント

方法はいろいろと考えられますが、良い行動が起きた時にすぐに褒められる環境をつくることが大切です。
有名な例ですと、某アトラクション施設ではよい行動を見つけた社員はその場で褒めるカードを渡します。そこには具体的な行動が記載され、その後の人事評価にもつながります。

 

当社では、毎週面談をして、具体的な行動ができていたかできていなかったかのフィードバックをすることもお勧めしています。初めは大変だという声が聞こえてくるのですが、やってみると案外楽だったりします。それどころか、部下とのコミュニケーションが円滑になった、幹部が管理職意識を持つようになった、という声もいただいております。

大切なポイントは、経営者として、従業員に望ましい行動が見えた時に適切にできるだけ早く褒められる状態になっているかです。

 

このポイントで是非社内を見渡して、従業員のモチベーションが上がる環境を整えていただきたいと思います。