健康経営相談Q&A

三次会なのにセクハラで訴えられた!?会社にはどこまでの責任が問われるのか

  • コミュニケーション

研修でよく見られる光景

 
社員研修、特にハラスメント研修をしているときによく出る質問として
「飲み会も職場なんですか? 何次会までが職場になるのですか?」
という質問です。

ハラスメント研修を何回かしている企業では、飲み会も職場であるという認識が少しづつ定着してきました(まだそのように思っていない職場では注意が必要です)。
 

では、どこまでの飲み会が職場と判断されるのでしょうか??

 
忘年会や二次会におけるセクハラ問題ついては、2003年に行われた
「三次会終了後のタシー内におけるセクハラ事件」の東京地裁の判例が参考になります。
 
これは女性部下Aが、役員Bにキスや肉体関係を迫られたことを訴えた裁判です。
問題は事件が三次会の帰りのタクシーで起きたという点でした。
セクハラ行為を行った役員は民法709条に基づく不法行為の責任を問われましたが、会社にも責任は問われたのでしょうか?
 
事件は三次会後の午前1時過ぎに起きたことを考慮すると、多くの人は会社に責任はないと考えるでしょう。
しかし、この事件は会社にも使用者責任が問われています。
つまり、三次会であっても職場であるといえるのです。
会社や部署が主催する懇親会や忘年会というのは、仕事だと解釈されやすいです。
日頃から職員に対して注意を促しておかないといけません。
 
いずれにせよ、ハラスメントが多い職場はコミュニケーションが足りていないことが多いです。
ハラスメントに関する正しい知識と、風通しの良い職場づくりが欠かせないといえます。